ハーブや園芸に関すること

生かすも殺すも 〜 水遣り

相手は植物。生かすも殺すも水遣り次第。水をやらなければ枯れる。砂漠で育つ植物さえも、時折振る雨だったり、地下の湿り気だったり、何とかして水を得ている。水をやらなければ、子孫を残す手立てをとって、必ず枯れるもんだ。そして、過ぎたるは及ばざるが如し。水をやりすぎても具合が悪い。水は生命を支えているのだ。

まずは、生物の授業で習ったことを思い出そうか。肉厚の葉を持っている植物、薄く広い葉を持っている植物、これらの特徴はなんだったか。環境に適合し、生きていくための進化。水の少ない地域では水分の蒸散を防ぎ、高温多湿の地域では温度を下げるための構造がとられている。そう、葉を見れば、どの程度の水分が必要かがわかる(はずだ)。同じ形態の葉で気孔(覚えているかな、生物の授業)の数が異なるなんてこともあるだろうけど、見た目は結構重要。

代表的な例をあげよう。水を好む代表はバジル。肉厚とは呼べない広い葉。夏を好むのは、夏に生きていく術を身に付けているから。こいつは肥料も欲しがる贅沢な浪費家でもある。短期間で急速に成長するための活発な新陳代謝なのだろう。逆にストイックとも言えるのはローズマリーか。針状の葉は、水分の蒸散を防ぐ。多肥を必要とせず、成長は早いほうではない。草と木を比較するのは無理があるけど、典型はこれら。

一般にハーブは肥料も少なく、水遣りも少なくて良い。バジルのようなケースはむしろ珍しく、世に言うハーブは大抵ストイックなタイプだ。その通りだけれど、ちょっとイメージが先行しすぎていないかなあ。水遣りを控えていると、そのうちくたっともなってもくるし、控え過ぎると枯れてしまう。極端な例だと笑われるか。そうでもないような。水捌けの良い用土を準備して、それなりに水を与える方が、我が家では調子が良い。用土と水遣りの関係になると面倒くさいかな。脱線してるかな。

水のやり過ぎはどんな問題を引き起こすか。まず、根腐れの問題。水が滞留することになると、腐ってくることが最大の心配。これについては、しつこいようだけど、水のやりすぎと言うより、水捌けの悪い用土に問題があると思うんだけどね。そして、肥料が流れてしまう問題。水によって押し流されてしまう。そもそも植物は水と一緒に養分を吸い上げるわけで、養分は水に溶けるわけだよね。水をたっぷりやると流れ出てしまうのは物の道理。さらに、保水性が悪くなる問題。水を沢山与えることにより、用土の中に水の通り道ができてしまい、水捌けの良さを通り越して水が抜けていくようになる。

習うより慣れろ。まず性質を見極めるようにして、控えめを前提に、水不足のシグナルを読み取るようにする。水のやり過ぎによるダメージは確認が難しいが、水不足の影響は確認できるからだ。花穂が垂れてくるとか、新芽がしなしなしてくるとか。それが見えてくればうまくできるようになる。

そうそう、水をやる時は、植木鉢の受け皿は絶対に外そうね。

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