ハーブや園芸に関すること

ところでそれって何だろう 〜 ハーブとは

それにつけても、素朴な疑問。ハーブって一体なんだろう。品種でもないし、正式な分類というわけでもない。これはハーブですか、といちいち確認する人もいたりする。誰かが答えを持ち合わせているのでもないし、筆者も同じこと。ギリギリな立場(?)にあるものを並べて、少し考えてみよう。ハーブに入れるかどうかは、筆者が勝手に思い込んでいることなので、異を唱える方もいるかもしれないけど、御容赦願いたいな。

まず、薬効(薬事法上は「薬効」という表現は危険だけど、あえて使う)。何らかの薬効がある植物はハーブに分類される場合が多い。と言っても、例えば「コケ」が薬効を持っていてもハーブとは言わない。ジギタリスなんかも、強心利尿薬になるけど、薬効が強すぎるせいか、ハーブには入れない。スギナも薬効はあるらしいけど、ハーブには入れない。雑草のイメージが強すぎるせいだろうか。薬効とハーブは関係があるとは思うけど、それで入れるかどうかを判断するのもどうか。

では、飲食。飲むと言えばティですね。肝心かなめの「茶」をどうするかってのが難しいぞ。ハーブじゃないよね。一般的に大量に使われるものは違うと言うところか。食べるほうにしてもそうだよね。野菜とハーブの間には見えにくい一線が引かれている気がする。大根やにんじん、キャベツ、ホウレンソウ、これらは普通、ハーブには入ってこない。入れる場合もたまにあったりするけど。同じ大根でも、辛味大根なんかはわさびと同じように使われる薬味だし、それじゃハーブってことにするか、とかね。セロリはギリギリ野菜、ロケットサラダはハーブ、アンディーブはどっちだ。パプリカとかピーマンは。ネギは。比較的レアであることと、クセがあることが、野菜とハーブの境界線になるのかもしれない。脱線するけど、野菜と果物の境界線は、草か木かにあるとのこと。だから、イチゴやスイカ、メロンは野菜なんだね。栗は果物。話は戻って、果物はハーブには入らない。カリンも入れない。柑橘類も入れないったら入れない。

。いい香がするものはハーブ。花の香ではなくて、全草が香るとか、葉が香るとかの場合ね。なかには香と言うより匂いじゃないかって、臭いのもあるけどさ。それはさておき、メントール(ハッカ系)、シトラス(レモン系)なんかは代表的だね。そこらの草木の葉をちぎっても、青臭さしかないのに、なんだかいい香がしてくると、おお、これってハーブじゃんかって気になるもんね。香のしないハーブもあるけど、香がするなら大抵ハーブに入れて差し支えないだろう。

園芸種はハーブに入れない。同じバラでも、原種系の一部はハーブとして扱われる。ローズティに使われるローズがそうだね。極端な話になると、原種系はその多くがハーブの仲間だったり、ハーブっぽく扱われる傾向にあると思う。パンジーやビオラの原種にあたるハートシーズやトリカラーもそう。キクとかランとかもそういう傾向がありそうに思う。ここは深入りすると馬脚をあらわすことになりそうだから、早々に話を終えたいところ。園芸種になると元々の性質(薬効とか香とか)が弱くなるからなんだろう。とか言っておいて、逃げる。

スパイス。胡椒なんかどうしましょう。山椒とかはどうしましょう。個人的には入れたい気もするけど、どっか違うぞ。難しくなってるよね。ハーブと呼ぶには刺激が強過ぎとでも言うか。さっきの薬効の話じゃないけど、個性が強烈過ぎるとか、そりゃもう用途が決まっているというか、何しろ先にスパイスとしての立場があるというか。なんか、やっぱ、スパイスはスパイス。なのかなあ。

和製ハーブ。ここに来ると、ハーブという言葉の持つイメージのみの勝負だ。シソ、セリ、ドクダミ、ヨモギ。そういう手合いはハーブなんだけど、ううむ、素直に呼び難い。特に混乱を深めてくれるのは、和製原種植物たちなんだな。ほとんど全ての植物が何らかの薬効を持っているらしい。古くからの帰化植物も含めて、実際、嘘か本当かわからないほどだ。カタバミにしても、アカザにしても。まあ、こいつらは雑草じゃねーかってこともあるわいな。

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