ハーブや園芸に関すること

地球を救うか 〜 珪酸白土

植物の根腐れ防止などに効果があるものとして、珪酸白土が有名。ミリオンという名前で売られている白い小石である。ハイフレッシュはこれが粉末状になったもの。水が腐るのを防止したり、肥効を高めてくれる。これらはソフトシリカ株式会社の商品名だから、詳しくはそちらを確認して欲しい。さて、この珪酸白土であるが、実は似たようなものが他にもあるのだ。似ているというだけで、効果も同じとは限らないが、はっきり言って「ミリオンは高い」から、バンバン使うのなら類似の品でいいじゃんか、と考えているわけ。ミリオンは秋田県平鹿郡で採れるとのことで、それ以外の地域のものになる。

猫砂。猫のトイレに入れておき、処理を楽にするとか、消臭の効果を期待する砂。ここで少々脱線しておくと、最近の猫砂は「ベントナイト」か「紙」のものが多くなってきている。この「ベントナイト」は、粘土の一種だが、水を吸うことによりユニークな特性を示すものだ。物質的には無機質で安定しているが、給水して膨張するとともに、汚れなどを取り込む。なんだか面白そうなので、これはこれで何かに使えないものかと思ったりする。今回の趣旨はこれではない。最近は「水分で固まる」ものなどが多く出回っているが、そういうのでもない。

てことで、主に消臭効果を期待する砂として「ゼオライト」を用いたものがあり、それをここで取り上げる。ゼオライトは多孔質の天然鉱物であり、その結果の特性として湿度の調整や肥料の調整などが期待できる。言い換えれば保水性、保肥性が高いというわけで、園芸用土として適しているわけだ。ま、多孔質であるためのメリットだから、活性炭のようなものですな。これだけでは大した事は無い。

重要なことはそれだけではないのだ。ゼオライトの大きな特性として「塩基置換容量」がある。なんのこっちゃかというと、陽イオンを保持したり離したりする力である。それでもなんのこっちゃなんだが。植物の肥料分となる「チッソ」とか「カリ」とかの分量をコントロールしてくれるらしい。チッソもカリも肥料としては、陽イオン状態で土中に存在することになるが、これらを吸着・保持したり、逆に放出したりしてくれるわけだ。これはかなり嬉しい特性だ。さらに、もともとゼオライト自体が微量ミネラルを含んでおり、これらによる肥料効果も当然発揮される。自分でも何を書いているかサッパリ解らなくなってきているが、極性効果作用、触媒作用やらやらも相まって、土壌改良剤としても良好だという。

もう一度脱線しておこう。ゼオライトの効果としては、猫砂に使われるとおりの脱臭効果があるわけだが、これがなんと「エチレンガス」の吸着効果も高いという。この「エチレンガス」は、果物が熟するのを加速する効果があるものだから、つまり、ゼオライトを使うことで果物が熟し過ぎないように保存できることになる。同じく、トリメチルアミンやらのガスを吸着し、細菌の繁殖を妨害する。更に更に、アンモニアは吸着するわ、重金属イオンは吸着するわ、亜硫酸ガスもトルエンも任せてしまって良いらしい。ミネラル水を作って飲むと身体にいいとか、御飯を炊くときに入れろとか、そういう用途に向けて加工されたものもあるらしい。ゼオライトは地球を救うかのような勢いがあるが、環境問題対策としても実際に期待されているらしいから、地球を救う手伝いくらいはしているようである。少なくとも、園芸の手伝いにはなるだろう。

エコーサンド袋話は猫砂に戻る。そんなゼオライトを探し、見つけたのは「エコーサンド」であった。トイレ用衛生砂として売られているが、説明書きには「園芸用として、鉢植えの周りにつめて植物を保護、また発根・発芽効果を促進いたします」との記載がある。この説明書き自体は、なんだそりゃ、と思わなくも無いが、もともと園芸用として売れらているわけではないので許しておこう。写真は5kgの袋。これで600円だった。袋が変色しているが、1ヶ月くらい前に買って庭に置いてあったせいだ。この他、ゼオライトは農協でも売っているらしいので、探してみると良いだろう。農協なだけに園芸用として扱われている筈だが、量は多いかもしれない。

エコーサンド見た目はミリオンとそっくりで、白色の石。何かのカケラという感じで、実際には多少粉っぽい。水に入れると泡を吹きながら吸水し、同時に水が白く濁る。白濁が沈殿した上澄みは透明だが、イオンが溶け出していて効能があるらしい。とても飲む気にはならないが、飲んでも害は無いという。使用方法は用土に混ぜることが通常だ。数%から多い場合は数十%まで、量は適宜考えることになるが、およそ10%程度だろうか。水や肥料を吸着するものなので、最初の施肥は多めに行うことを勧める。鉢底に使う場合は効果が相当減ると考えられるが、それでもいいかも。挿し枝をするときには、コップやビンにこれを詰め、水を張る方法がある。水の腐敗を防ぐ効果と発根を促進する効果が期待できるのだから。

最初に戻るが、「ミリオン」は高い。その理由は品質にある。産出する場所により、同じゼオライトでも組成が違うわけで、有効性も異なってくる。その上、品質管理をどれくらいやっているとか、研究をどれくらいやっているとか、どういう加工をしているかにより、品質が異なり、価格が異なるのは当然である。つまり「猫砂」を使うか、「ミリオン」を使うか、そのどちらが良いのかを断定することはできないし、どちらかを薦めるものでもない。たまたま私は「猫砂をバンバン使う」ことにしているわけだ。

<= back

-- Taq's Herb Photo Gallery --