写真撮影に関する色々なこと

物言わぬモデル達 〜 ハーブ

繰り返しになるんだけどさ。構図ってことで書いたことをも一回書く。何故って書きたいからに決まってんじゃん。ハーブの花の写真を撮ってるんだから、何度だって書くんだもんね。一番苦労してるっつうか、一番楽しんでるっつうとこでもあるし。

被写体、つまりモデルとして見たハーブ。写真を撮るってことは基本的にモデルのご機嫌をとることになるわけで、そんならモデルの性格とかが大事なわけ。もちろん、植物は話もしないし、声かけても反応しない。気難しいとは言わんが、ご機嫌取りが楽でもない。まず期限の良さそうな時(開花期)を選んでやって、体調が良い(綺麗に咲いている)奴を選んでやる。これがなかなかままならない。

図鑑みたいな写真を撮るんだったら別にいいんよ。全体の姿が撮れるように、とか、余分なものが混ざらないように、ちゅう悩みはあるだろうけど、雰囲気を出すとかってんじゃないからね。

アンチューサ。小振りな花だけど、撮影するのに難しいことは無い。花芯部の色が茶色になっちまうんで、これを避けるだけのこと。複雑な形でもないから、イマイチ派手さに欠けるというか、つまらなくもある。

エキナセア。でかいし派手。開花期も結構長い。頭や技術使わないで撮れちゃう。かっちゅうて、ぐっと寄って撮るかちゅうと、そういうのんでもない。蕾から開花状態までの変化がおもろいんで、そういう狙いもアリだね。

カモマイル。花は沢山咲くから被写体として綺麗な奴を選びゃいい。三脚を立てると丁度の高さだし、いいじゃん。風が吹いて揺れるのはしゃーない。問題があるとしたらアブラムシの野郎。たかるたかる。アブラムシが写らないようになんてのは至難の技。これもカモマイル自体に問題があるわけじゃあないんだけど、でも、なんとかならんもんかね。

セージ。マクロでアプローチすっと、なんか撮りづらい。枝の途中に花があるせいだ。花の写真を撮ったとして、そこから更に上に枝が伸ているのって、違和感もあるし、収まりが悪い。焼鳥じゃないんだから。セージは種類が沢山あるから簡単にゃ言えないけど、割と単色の傾向があって、これもつまんないんだ。もちょっと模様とか入らんかね。全身真っ赤とかじゃあセンスが疑われるってもんだよ。

センテッドゼラニウム。こいつは誉めるよ。大きさも手ごろだし綺麗だし姿勢もいい。種類ごとに微妙に違うとこもいい。開花期もけっこう長い。葉が背景になるから、構図とか角度で悩むこともあんまりない。機材なんかもほとんど要らないだろう。完璧に近い。ありがてえ奴。偉い。こいつの用途には「被写体」てのを加えて欲しいね。

タイム。小さいし、背が低いけど、なんか面倒見てやりたくなる。クローズアップしてやると可愛いんだよ。葉も花もね。実はこの「背が低い」は相手をするのも大変なんだけどね。カメラを寄せてやるのに、三脚が使いづらいし、そばまで行くとカメラ自身の影になったりするんでね。

チャイブ。ネギ関係(カッコ良く言うならアリウム)は意外と面白い。見て綺麗な花じゃないぶん、うまく撮ってやるとそこそこいい感じになるっちゅうことで。質感とか色合いも微妙だし。蜂が飛んでることも多いから、どうしても入れたくなるけど、そうすっとフォーカスあわせている余裕が無くてボケる。欲張りはいかんな。

ナスタチウム。簡単そうに見えて、実は大変。ピラピラの花弁は痛み易いし、そもそもきちんと開いていることが少ないし、隣の花と重なってるし。簡単だからやってごらん、なんて誘っておいて一筋縄ではいかんような。出来上がりの写真を見ても「なんだかなあ、なんでかなあ」になる。普通に撮れば普通に取れるし、色も鮮やかだし、花も葉も形はユニークなんだけど、どっか違う。なんか変だ。写真撮るより絵に画くべき。

ハートシーズ。ワイルドビオラですな。要するにビオラなんだけど、何でここに出てくるかっちゅうと、最初に撮った奴だから。撮り易くていいんだけど、こいつを誉めるくらいだったらハーブにしないで園芸種の花にすりゃあいいじゃんか。

バジル。シソ科の花としては「こんなもんだろ」って感じだねえ。特になんかそれほど特徴があるわけでもないし。花が咲くと食用に適さなくなってくるから、そのせいで無意識に否定しているのかもしれんが。

パセリ。あのちじれたちっこい奴は、こいつも写真写りが悪い。イタリアンパセリにしても、こいつはこいつでどこを撮っていいか悩む。花も小さいし。やっぱ絵画とかイラスト向き。

ベルガモット(モナルダ、ビーバーム)。こいつもいいね。センテッドゼラニウムの次くらい。花の形、咲き方、色(種類あり)、なかなかやるわい。細かいケバにフォーカスあわせるとか、構図も含めて腕の見せ所もあるしね。

ボリジ。しつこくて済まんが、上を向いて欲しい。大して背も高くないくせに下向きに咲かなくたっていいじゃんか。

マロウ。こいつも大きめの花で撮り易い方。なんだけど、奥の方で咲いてたり、痛んでたりで綺麗なのを探すのは楽じゃない。それに、ちょっと凝った撮り方を目論んだりするとこれがなかなかうまくいかねんだ。

ラベンダー。マクロ撮影という意味では、こいつはもう最悪。とにかく縦。細くて長い。花穂が長いやつなんか、背景だって悩むんだ。結局、遠くからラベンダー畑を取るとか、株を丸ごと撮るとかになる。それはそれでいいっちゃいいんだけど、オイラは納得できね。ぜってーマクロ撮影してやる。ところがところが、そばによって拡大すると大して綺麗でもないんだよ。つぼみに近い花穂が綺麗なんであって、個々の花は大したことがない。このあたり、「構図」の方で書いたそのままだけどさ、それくらいホントあったまくるんだ、奴には。

ラムズイヤー。意外と難儀。あのふわふわした感じ、写真じゃ再現できないんとちゃうかな。できたとしても物足らんよ。写真見るより実物に触ってみろって。花も大したことないし、まるでもう、ぬいぐるみに埋もれているみたいな状態だし。

レモングラス。どこをどう撮れと言うわけだ。花なんて滅多に咲きゃしないし、じゃあ葉でも撮るか言うたってイネとかススキみたいじゃん。

ローズマリー。これが大変なんだ。花が小さいけど、まあ、それは許そう。許すけど、よくよく見ると茶色くなってたりするのが許し難い。しかもさ、撮ろうとするといくつか花がフレームに入ってくるんだけど、必ず茶色くなった奴とか、枯れちまった奴が入ってくる。基本的に縦型だし、ああいう枝にちまちまくっついた形ってのは困るんだよな。白花なんかいいセンいってると思うんだけど、もう少しこっちの立場を解ってて欲しい。

ロケットサラダ。開花期が短いんじゃないかな。ちゃんと観察してるわけじゃないから解らんのだけど、気が付くと花がしぼみかかってる。こいつも、食うためには咲かせちゃならんやつなんで、やっぱ撮影欲より食欲の本能の影響かもしんね。

ワイルドストロベリー。可愛い花だし、いい奴なんだよ。それは認める。けどさ、写真に撮ろうとするとどうしても「日の丸写真」になるのはどうしてなんだ。無邪気で可愛いとでも言うんかい。もっとこう、色気とか、深みとか、無いんか。

またどっか別のとこにも書くかも。かも。

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