ハーブと花の写真講座

構図の基礎

良い写真というものは、色々な要素によって成り立っていますが、構図も最も重要なものの一つとなります。特に対象が静物である場合は、考えたり構えたりする時間的な余裕もあり、全体に意識を払いながら、効果的な構図を狙うべきでしょう。
構図とは被写体の配置に他なりません。文章だけで説明するのは困難ですので、まずはサンプルを見ていきましょう。都合により、ハーブ以外の写真ばかりになっています。

サンプル

BlueEyedGlass
庭石菖(にわぜきしょう)、英名Blue-Eyed-Glassです。道端に咲いているごく小さな雑草をマクロ撮影しました。
この写真では被写体をやや左へ寄せています。花は右側を向き、花の左側には枝が見えています。この写真でのポイントは花が向いている方向の空間が開いていることにあります。これによって窮屈な印象を与えず、広がりを意識させることができます。特に花の左側、つまり後ろ側に配置した枝が背骨のように花を支え、積極的に右側へ向ける効果を発揮しています。


borige
ボリジの花です。下を向いて咲く花なので、なかなか手こずらされます。
この写真では、右下から左上にかけて対角線に沿った配置を行っています。斜めに伸びた枝の先に主題となる花を置き、更にその周辺を埋めるように蕾(つぼみ)を多数入れています。メインの花に対して、脇役を積極的に並べていることにより、やや混雑はするものの主題を強調しているわけです。
ただしこの写真では、多少余分なものが写っているようですから、もう少し整理すべきでしょうね。


Rescue
ライフセーバが使うレスキュー用のサーフボードです。看板的な意味もかねて海岸に置いてあるものですね。
この写真では単純に対角線上に被写体を配置しています。風景写真など、縦や横(垂直や水平)に被写体を配置することが多いわけですが、斜めのラインもうまく使おうというわけです。
こうした大胆な構図は、マクロ撮影にも通じるところがあり、紹介してみました。


ENJU
このコーナー最後は槐(エンジュ)の枝と空の写真です。
槐の葉と雲と青空を見せたかったため、これまた単純に画面を3分割して配置したものです。槐の緑は外側に向けて明るい色となっていき、雲の白も外側に向けて薄くなっていきます。それでいて、青空との境界がはっきりとしていて、ちょうど3色に塗り分けたような写真となりました。

構図とは

構図によって表現できることは何でしょうか。主題となる被写体をより良く見せる方法でもあり、状況や物語を説明するための方法でもあります。構図に懲り過ぎてシャッターチャンスを逃してしまっては元も子もありませんが、構図を意識しながら撮影することにより、撮影者の意図や意識を見る側に伝えることができるのです。
カメラのオート機能がどんどん進歩していく世の中。何を写すかという気持ちと、それを支えてくれる構図をもっともっと大切にしていくべきなんじゃないでしょうか

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