ハーブと花の写真講座

リズムとストーリー

1枚の写真の上で、複数の被写体をうまく並べることにより、リズム感やストーリー感を演出することができます。動画のようなリズム感や、組写真によるストーリーとは比べ物になりませんが、意味が違うと考えてください。
このコーナーでは、2つの被写体を配置したペア写真、複数の被写体を規則的に並べリズム感を出した写真、複数の被写体によりストーリー感を出した写真を見ていきます。このコーナーで紹介する写真はハーブだけではありません。

ペア写真

ガウラ
白蝶花とも呼ばれるガウラの白花2輪。ほぼ同じ状態で咲いている2輪を並べて撮影したもの。
1輪だけでは多少寂しかったり、写真上での配置が決めにくかったりするところ、2輪を並べることにより安定感を出すことができます。この写真では、左側からの日照であるため、左右に配置したそれぞれの花がやや異なった表情を見せています。これにより、立体感を得ることもできました。
ラベンダー
逆光下で露出を補正したラベンダー。やはり同じ状態で咲いている2輪ですが、こちらでは前後に並べ、後方の花をボケさせています。
2輪並べることによる構図上の安定感と、前後の配置による奥行感を狙ったものとなります。分身か、鏡に映った像のようになっているため、幻想的な印象を与える写真になりました。

リズム

ビニールチェア
見ての通り、ハーブではなく、海辺に並んだビニールチェアです。
ただただ同じものがずらっと並んでいるだけの写真に過ぎません。しかしながら、ほぼ等間隔に並んでいることが見る側の想像力に働きかけ、ずっと繋がっていくかのような広がりを感じさせてくれます。
RedPepper
強い日差しの下で、照り返しも鮮やかな赤唐辛子。
手前の一群では右下から左上方向へ、奥の一群は左下から右上方向へ、それぞれ同じ色と形の唐辛子が並んでいます。まさに、リズムに乗ってダンスでも踊っているような感じがしませんか。
ガウラ
こちらもガウラ。2輪の花とまだ硬い蕾。
咲いている花を起点として、蕾がリズミカルに並んでいます。右下から左上へのリズミカルな展開は、逆に何もない左下の空間によって強調され、意識は更に上へと向かうようになっています。

ストーリー

ライフセーバー
海辺を監視するライフセーバー。シーズンにはまだ早く、暇そうですね。
彼らが何を見ているか、その視線の先にはモーターボート(ジェットスキー?)。物語というには大袈裟になりますが、なるほどね、と思うような写真です。こうした納得できるポイントが押さえることで、見る側に違和感を与えずに済みます。
セージ
ハーブの写真に戻ってきました。おなじみのセージです。
この写真においては、硬い蕾、開きかけた花、開いている花(正面と横面)が1枚に収まっています。また、よく見れば、枝の下から上に向かって花が開いていくことも解ります。ごちゃごちゃ並んでいるような写真ではありますが、じっくり見ても飽きないような工夫がされているというわけです。

応用方法

ここで説明した方法論、というか、サンプルの解釈については、恐らく他の意見も沢山あるだろうと思います。筆者の主観によるところが多く、「そう言われてみればそうかもしれない」と感じる内容になっていることでしょう。
無理やり解釈しているところも無きにしも非ずですが、こんなことを考えてみて、次に写真を撮る時にちょっと思い出してみても損はないでしょう。

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