パソコン通信とインターネット

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パソコン通信とインターネットは似て非なるもの。

互いのシステムが異なることはもとより、カルチャーも異なる。

システム(仕組)
パソコン通信は、基本的に一個所のサーバーに対して、各クライアントが専用ソフトを用いてアクセスする。インターネットではサーバーは分散しており、各クライアントは統一規格(RFC)に準拠した方法でアクセスを行う。サーバーが一個所であるメリットは、クライアント同士が常に同じ情報を扱えると言う点(分散していれば伝達の順序や速度で扱える情報が異なる)であるが、逆にサーバーの処理能力によって規模が制限されてしまうデメリットがある。もちろん、パソコン通信は、登録したユーザーのみが使用できるのだから、インターネットのような広がりは期待し得ない。

ユーザー
パソコン通信は営利目的の企業が運営しており、登録した上で使用料を支払うユーザーが対象であるのは言うまでもない。インターネットについても、ユーザーは何らかの形で支払いを行っているが、回線接続のためである。パソコン通信では運営を含めての料金であるが、インターネットは運営母体が存在しないのだから、そういう料金はありえない。サービスもありえない。

カルチャー
パソコン通信の世界とインターネットの世界とでは、非常に異質なカルチャーがあるようだ。互いに嫌いあっているようだ。パソコン通信ユーザーは料金を払い、付加価値を得ていた。インターネットユーザーはみずからの努力によって、運営(というか、維持発展)に寄与してきたと自負しているし、そのための努力を続けようとしている。昔から金を払ってきたパソコン通信ユーザーがインターネットとの接続が実現された結果として、「RFCに準拠せよ」だのと文句を言われたりするのだから、たまらないだろう。逆もまた然り。勉強もしないようなユーザーがインターネットのルールを乱すのは困るわけだ。

慣用語
カルチャーが異なる例として、よく使われる単語もあげられる。パソコン通信では、「レス」や「アップ」という言葉が多用されるようである。レスはレスポンスの略で、返事・回答やコメントの追加を意味する(らしい)。アップはアップロードの略だろうか、コメントの書き込みを意味する(らしい)。インターネットで同様の単語としては、「フォロー」と「ポスト」になる。知ってか知らずか、インターネット側(?!)では、「レスってどういう意味ですか」てな発言が出ることもあり、冷戦を物語るわけだ。

優劣
優劣はつけないが、インターネット優勢の状態で進んでいる。爆発的な規模拡大もさることながら、世界的にオープンなネットワークなのだから、もはや優劣を比較する局面でもない。パソコン通信ユーザーに対しては同情を禁じ得ない(私がインターネット側にいるからではない)。改めてインターネットのことを知らねばならないし、第一、大海に放り出された蛙なのだから。

パソコン通信の将来
多分ね、インターネットに吸収されていくのだろうけど、抵抗感もきっとあるのだろうね。メールは特に問題ないだろうが、BBSなどはネットニュースに吸収されていくかもしれないな。いやいや、きっと「インターネット=ホームページ」という理解で、パソコン通信をしながらインターネットもできる、ということになりそうに思えるな。

パソコン通信に対して酷なコメントになってしまった。この際、もっと厳しいことを言ってしまおう。パソコン通信なんかさっさと止めてしまって、もう一度インターネットに取り組みなさい、と。